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含み笑いを浮かべているのがわかった。
「亜里沙って呼んでもいい?」
蕾に聞かれてあたしは無言でうなづく。
言葉にはしないが1人になりたいという雰囲気を出すために教科書を開いた。
それを見た樹里と蕾はつまらなさそうな表情を浮かべて自分の席へ戻っていってしまった。
その様子にホッと胸をなでおろす。
それからも他のクラスメートたちが声をかけてきたけれど、あたしの反応はさして変化がなかった。
樹里たちのときと同じように曖昧に濁して返事をする。
そのたびにB組の生徒たちは怪訝そうな顔をしたり、苦笑してあたしから離れて行った。
B組の中に入り込んできた異物。
そう認識されているかもしれない。
それでもよかった。
あたしは目の端で樹里と蕾、そして重行と一樹の様子を伺った。
樹里と一樹は付き合っているようで、さっきから会話が弾んでいる。
時々手をつないだり、頬にキスをしあったりしているが、周りの生徒たちはあまり気を配っていないみたいだ。
2人の仲はとっくに公認という感じ。
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