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「そういえば、木下さんって、長く片想いしている相手がいるって聞いたけど、大丈夫じゃない?もっと積極的になってみな。女子力高いんだし、片想いなんて勿体ねーぞ」
「……本当にそう思う?」
「思う、思う!木下さんは可愛いし、男からしたら良い事ばかりだと思うけどなー。だから、自信を持ちな」
女は桜木を見つめ返した。
その長い沈黙と熱い視線に俺は唇を噛み締めた。このままではやばいと直感的に感じたのだ。
「──ねえ、それって、あたしが告白したら断る男は先ず居ないって解釈でいいのかな?」
女は桜木の様子を意味深な目で見つめている。
(──おいおい、調子に乗るなよこの糞女!!男がそう言う時は大抵社交辞令と決まってるだろうがっ!)
だが、恋に目が眩んでいる女にはそれが分からない。勿論、桜木の馬鹿にもそんな女の状態なんか到底分かりゃしないからいつも不味い事になる。
「うん。木下さんだったら断る奴なんて居ないよ!告られた方はすっげー嬉しいと思う!」
案の定、桜木は満面の笑顔で答えた。
(やっぱこいつは何も考えてねえ!)
「じゃあさ、……あたしと付き合ってって言ったら、桜木くん付き合ってくれる?」
「──はっ!俺?!」
今さらそこで驚くのかよ。
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