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4.不思議な気配
僕はいつものように、狭くて暗い押し入れで淳が来るのを待っていた。
しばらく待っても来ない。僕は待たされるのが大嫌いで、そのイライラが最高潮に達して、それは段々眠気へと変わってしまった…そんな時だった。
『…ズズッ…パタ』
そんな音と不思議な気配を察知した。僕の中の違和感アンテナが光った。
“…いる…”
僕は普段と違う空気を感じとったのだ。
体育館座りをしていた左手を、ソロリと床に置くと…指先を這わせた。ヌルヌルしたものに触れた。
“…長い…生々しい…ヤバい!”
僕の頭の中はパニックっていた。出ようにも体が固まった状態だ。
奴は『シュルッ』っと足首のあたりに移動した。ゆっくりと重いものがズリ…ズリ…と…動いてる。
心臓がバクバクしてきた。
“臭い!”
僕は今まで嗅いだことのない臭いに吐き気がしてきた。
「うわっーーなんかいるー!」
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