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5.臭い生き物?
僕は動揺していた。押し入れの引き戸の開け方を忘れていた。多分叩いたはずだ。
階段を転げるように降りると…そこにはお母さんと淳もいた。
「お父さんに手伝いを頼まれて…遅くなってごめんね。」と僕に謝った。
「宇宙…あなた顔真っ青よ。寒かったの?それに大騒ぎでなんなの…」
お母さんは笑いながら言った。
「押し入れに…トカゲみたいなヘビみたいな…何かいたんだよ!」
「 俺んち動物園かよ!ひひひ」
「いつも空想ばかりしてるからでしょ。凄い雨だから迎えに来たのよ。早く帰りましょ。」
「あ…じゃあ、これ、持ってって!」
みんな僕の話は真面目に聞いてくれない。淳のお父さんはカップ麺一箱を車に積んでくれた。
その頃には、雨が強く降ってきて、辺りは真っ暗になっていた。
僕は自分の勘を信じた。でもヘビなんかがどうして押し入れにいるんだろう。結局わからなかった。
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