ザ・ダーク

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ザ・ダーク

「5。4。3。2」  最終目的地の扉の前で、ガイアがカウントを始めた。 「1。ゴー!」  5人は一斉に雪崩れ込んだ。ガイアが正面に向かい、マーズとタイタンが左右に別れ、クロノスとアポロンが三人の間から前に出た。僕は誰にも見られないように付いていく。  ガイア達の予想通り、室内は研究員だけで制圧は簡単だった。大人しく従う白衣の人達を、インビジブルのメカニックを担うアポロンが自作ワイヤーで束ねた。遠隔で電気が流れるらしい。  モニターや機器の奥に大きなハメ殺しの窓があった。覗き込んだガイアが「あそこだ!」と言った。  窓からは真っ白で大きなフロアが見下ろせた。  (まゆ)形の装置が等間隔に並ぶ様は少し異様だった。装置には長方形の窓が付いていて、皆こちらを向くように傾いていた。光が反射して中までは見えなかった。  フロアに通じるドアを出ると、螺旋階段が下へと延びていた。途中フロアを見渡せる大きな踊り場があって、その壁には幾つかの機器があった。 「クロノス、データの確保頼む。スバルはクロノスのサポートを頼む」  ガイアと頷いた僕に、クロノスが何かを手渡した。 「昔の無線機だ。この距離なら使えるし、傍受(ぼうじゅ)もされない」
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