22人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
ザ・ダーク
「5。4。3。2」
最終目的地の扉の前で、ガイアがカウントを始めた。
「1。ゴー!」
5人は一斉に雪崩れ込んだ。ガイアが正面に向かい、マーズとタイタンが左右に別れ、クロノスとアポロンが三人の間から前に出た。僕は誰にも見られないように付いていく。
ガイア達の予想通り、室内は研究員だけで制圧は簡単だった。大人しく従う白衣の人達を、インビジブルのメカニックを担うアポロンが自作ワイヤーで束ねた。遠隔で電気が流れるらしい。
モニターや機器の奥に大きなハメ殺しの窓があった。覗き込んだガイアが「あそこだ!」と言った。
窓からは真っ白で大きなフロアが見下ろせた。
繭形の装置が等間隔に並ぶ様は少し異様だった。装置には長方形の窓が付いていて、皆こちらを向くように傾いていた。光が反射して中までは見えなかった。
フロアに通じるドアを出ると、螺旋階段が下へと延びていた。途中フロアを見渡せる大きな踊り場があって、その壁には幾つかの機器があった。
「クロノス、データの確保頼む。スバルはクロノスのサポートを頼む」
ガイアと頷いた僕に、クロノスが何かを手渡した。
「昔の無線機だ。この距離なら使えるし、傍受もされない」
最初のコメントを投稿しよう!