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「やっぱり綾海ちゃんは何も変わってなかったんだね」
あくまでも莉花は前を向いたまま、綾海とは目を合わそうとはせずに話し始めた。声色も先程までの和やかなものとは打って変わって無機質なものになっている。
「え? いきなりどうしたのよ」
「さっきの咲良ちゃんって子が小学生の頃の自信がなかったときのわたしと被って見てられなかったよ?」
「どういう意味よ?……」
「綾海ちゃんのわがままに嫌々付き合わされてるんだろうなってこと」
「嫌々って……。嫌なら嫌だって言えばいいじゃないの」
「ふうん」と小さく呟いた後、莉花はゆっくりとコーヒーを飲み干した。
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