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「それに、さっきの学芸会のときの話だけど、あのときはよくもやってくれたわね」
「え?」
人前で緊張して声が出なくなった莉花を気遣ってした行為が糾弾されている。
「わたしあの日は喉が痛くて全然声が出なかったのよ。朝から調子悪くてあんたとも全然話さなかったのに、気が付かなかったの? そうよね、あんたが気付くわけがないわよね。いつも自分のこと以外気にしてないんだから。せっかく学芸会でみんなに主役に選んでもらって楽しみにしていたのに、大好きな演技の機会を奪われたのよ! おまけにあんたから『莉花は演技に向かないから、やめた方がいいわ』とまで言われてずっとその言葉がコンプレックスになっていたのよ!」
演技をやめた方がいいというのは苦手なことを無理して頑張らなくても良いよというつもりで言ったことなのに、そんな風に思われていたなんて。
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