1. デジャヴ

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1. デジャヴ

ロンドン北西部、カムデン区にある学生寮。 6月に入り、語学学校で出される山のような課題をこなしつつアルバイトにも行きながら、ロンドンでの生活は軌道に乗り始めていた。 「そう言えば、ウェストミンスターで交通事故あったんでしょ?」 「あったあった!トラックと自動車がぶつかって結構な事故だったみたい!!幸い乗ってた人は一命を取り留めたらしいけどね」 「ええっ、そうなんだ!!」 学生寮で勉強の合間にロンドンのスーパーで買ってきたお土産のお菓子を開けていた時、ルームメイト達が事故の状況を詳しく話してくれた。 「Look at this.」 (これ見て) ジャンが差し出したのは、動画投稿サイトにアップされた事故当時の映像だった。 走行途中だったトラックと自動車は両方とも跡形もなく壊れていて、道路からは火の手が上がっている。 「警察の人、大変だっただろうね…」 「I guess so.」 (多分ね) ジャンがそう呟いたとき、真理絵が「そうそう」と言った。 「警察と言えばこの前、和樹さんが寮に来たのよね!」
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