月からの使者

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やがて僕は整形外科医になった。 自分の顔を好きなように整形できる金と力を手に入れた。 だが、いざとなったら迷った。 この醜い顔だって生まれ持った僕の命の形である。 周囲の人が何と思ったところで僕の自然であり、偽らざる僕自身である。 なぜその顔を変える必要がある? 変える必要があるのは、顔の形状だけを理由に人格までも否定するような社会そのものじゃないのか? そう思っていた時、何年かぶりでモネが患者として現れた。 顔のアザを整形手術したいと言う。
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