月からの使者

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僕は医者としてではなく人間としてモネに尋ねた。 なぜ手術したい? 「あなたに愛されたい」 と モネは答えた。 「あなたが このままの私を愛することができるなら 私は このままでも平気」 と。 僕は言葉に詰まった。 思考に詰まった。 モネの寂しさ、生きづらさ、モネのがんばりは誰より分かるつもりだ。 が、それと恋愛とは別だ。 だが、僕はモネに 『顔と恋愛とは何の関係もない』 と言ってのけることはできなかった。 僕は大きな過ちを犯した。 同情からモネを支えてしまった。 モネは僕に支えられることで実際、何度も救われた。 モネの心の中で僕はかけがえのない存在になっていただろう。
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