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友達が帰ってきてすぐ、隣にいた男2人組に声をかけられ暫く一緒に呑んだ。
この場合は大抵奢ってくれるので学生の身としてはありがたい。
2軒目に行こうと誘われたけど、ちょっと話を合わせるのに疲れていたので友達と笑顔でさよならした。
友達は急遽別の飲み会に誘われたらしく、少し寂しいけどその場でバイバイ。
1人になってしまった。
このまま帰るのは何となく勿体ない気もするが、1人でこの繁華街を歩くのも怠そうだ。
(今日は大人しく帰るか……)
そう思って改札へと足を向けたその時。
「舞ちゃん!」
くいっと腕を引かれて人の波から外させられた。
聞き慣れない声に戸惑いながら顔を上げると、見たことあるようなないような整った顔があった。
「…?」
「良かったー会えて。俺も丁度渋谷で呑んでたからさ」
と、そこでようやく思い出す。
そうだ、この前クラブで会った人こんな顔だった。
スーツ着てるからか印象違くて思い出すのに時間がかかってしまった。
まあ、元々顔を覚えるのは苦手なんだけど。
それにしても、まさかこんなところで会うとは。
そういえば渋谷にいるってラインしたっけ…?
その後ラインを開いていないから記憶の彼方だった。
「折角だし2人で飲み直さない?」
とのお誘いに、少し考えてから承諾する。
うん、このまま帰るのちょっと寂しかったから丁度良かったかも。
この人との記憶は悪いものじゃなかったし。
酔っ払ってて曖昧だけど楽しかった気がする。
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