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突如目の前に現れたご馳走に、思考が奪われる。 だけど海里くんは私の反応を待つだけで、一向に手を出そうとはしない。 もどかしい……。 「う……で、でも……」 「不都合なことなんてないでしょ?……それとも、俺より優先するような人がいるとか?」 「い、いないけど……」 「ならいいじゃん」 海里くんの顔も、声も、醸し出す雰囲気さえも。 まるで麻薬のよう。 ……そっかぁ。 確かにその通りだよね。 海里くんとずっと一緒にいれば、またいつも通りの生活が送れる。 大学でもバイトでも急に身体が変になって頭がおかしくなるより、そっちの方がずっといい。 「……わかった。付き合う。同棲する。だからもう限界……早くめちゃくちゃになるまで抱いて……?」 もう負けだ。 いよいよ海里くんに逆らえなくなってきた。 でも、この欲が満たされるならどうなったっていい。 だから早く……。
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