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腕を伸ばせば、笑みを深くした海里くんが段々近付いてくる。
視界は徐々に暗くなっていき、海里くんの妖艶な笑みでいっぱいになった。
「これでやっと舞ちゃんは俺のものだね」
私が、誰かのものになる。
そんなの想像したこともなかった。
自由が一番。誰かに縛られるのなんてまっぴら。
ずっとそう思っていたから。
──でも、海里くんになら縛られてもいいかもしれない。
海里くん以外に仲良い人もいないし、海里くんと一緒にいれば楽しいし、海里くんさえいれば欲は満たされる。
なにか、大事なことを忘れてる気もするけど……
まあ、どうでもいっか。
今が楽しければ──。
END
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