14. ……そう。そうやって私のことを見ていてください。

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 本編が終わり、荘厳なクラシックの旋律とともにエンドロールが流れると、ぱらぱらと客が引き始める。  まだすべて終わっていないというのに、息を殺したような微かなざわめきが劇場内に満ちる。  柚姫がそっと隣を(うかが)うと、チトセは動く気配のないまま、ずっとスクリーンを見ていた。  それで柚姫も安心して余韻(よいん)(ひた)る。  音楽が途切れ本当の終焉(しゅうえん)を迎えると、ふわりと明かりが灯った。  最後まで残っていた客たちもゆっくりと引き始める。  (まぶ)しさに二、三度瞬きをする柚姫の前に、先に立ち上がったチトセの手が差し伸べられる。 「私たちも行きましょうか?」  自然とその手を取り、柚姫も立ち上がった。
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