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2. ああ。少々血をいただきすぎたようだ。
気がつくと、柚姫はベッドの上にいた。
今何時……?
起き上がりたいのに、身体が動かない。
私、どうしたんだっけ?
朝は普通に起きて、家をでた。
そして、いつもの公園を突っきって……突っきって……。
「……あれ?」
学校へ行った記憶がない。
首を少し動かして時計を確認すると、軽く十二時をまわっている。
え、うそ!?
三時限目の聖書で試験があったことを思い出し、心の中で悲鳴を上げた。
今日の試験で平均点が取れなかったら、夏休みに補習を受けなければならないと聞かされていた。
いや、そもそも……だ。
なぜ家にいるのだろう。
何処からどう見ても、ここはマンションの一室、柚姫の部屋だ。
確かに家をでた。それは間違いない。
そしていつものように公園へ行って……行って……。
黒いものが脳裏をよぎる。
あっ! と、全てを思い出した瞬間、背後でガチャリと扉の開く音がした。
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