36. 柚姫は……永劫の時を、私と共に生きる気はあるか?

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 トワは、待ってくれると言っているのだ。そして、柚姫がどちらを選んでも構わないと。  それは、何て深い愛なのだろう。  トワの愛情の深さに柚姫が瞳を潤ませると、トワは何を思ったのか、急に身体を起こして柚姫から離れた。 「トワ……?」  突然放り出され、どうしたのかと柚姫も起き上がる。ふしぎそうに首を(ひね)ると、伸びてきた手に、半ば強引に正面を向かされた。 「ちょっと、何す……」 「大切なことを忘れていた」 「は? 大切なこと?」 「思えば、あいつに邪魔されて、まだだった」 「まだ?」  一体何のことを言っているのか。 「思い出さないか?」  きょとんとする柚姫の顎を、今度は慣れた手つきでぐいっと上向かせる。  あ、と声をあげたのも束の間、トワの金色の瞳が間近に迫り、柚姫はやっと状況を理解した。 「まだ思い出さないか?」 「え? もう、思い出――」  柚姫の言葉はトワの唇に(さえぎ)られた。 「ん……」  吐息が重なり、一つになる。柚姫はそっと目を閉じた。  トワをもっと感じたい……  そう思って、トワの背中に腕をまわすと、優しく抱き締めてくれた――
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