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「でも、こんなやり方でなくても。」
「時間が無かったんだ。面倒な事になりかけてファントム・Kの名前が大きくなって商品価値が上がると色々持ちかけてくる人間が多くなった。それに・・嘘でも陽菜以外の女と恋人だなんて嫌だ!」
ファントム・Kは契約更新をしないという事を編集にすでに連絡してあるといい、ドラマ化で作家としては終わろうと彼は考えていた。
「ファンはどうするの?待ってる人がいるでしょう?」
「そうだね・・。」
「無責任だよそれは!」
「陽菜?」
陽菜はイライラしていた。確かに彼の事情も分かるし、やらせの恋人は問題だと思うけれど作家を辞めるのは違うと陽菜は思う。
「マー君の作品は確かに面白いんだよ。コミックになったのしか知らないけどファンが沢山いるんだよ?応援してくれた人がいたからドラマ化になったんでしょ?裏切ったら駄目でしょ!」
「うん・・。」
「無責任なマー君は嫌いよ。」
「書いたら嫌いって言わない?付き合ってくれる?」
「うん。」
「じゃあ書く。」
ここまできて陽菜は「やられた?」と思った彼は再会して交際を渋る陽菜にyesと言わせる為に強引過ぎる方法を取ったのだ。
それに気が付いた時はすでに遅く嬉しそうな顔をして笑顔の彼にやっぱりやめるとは言えずにいる陽菜。
「陽菜が思っている以上に俺は、本気だし手放す事なんて出来ないもう離したくは無いんだよ。」
「もう・・急にあんな事いわない?」
陽菜にしてもトラウマなのは「別れよう」だったから聞くと言う訳がないと彼は言った、それに陽菜の部屋の前のマスコミは偽物だと白状して陽菜と話をする為のエキストラだと言うから陽菜は頭痛を覚えた。
記者会見と女優からの交際依頼は本当らしく今回の事でその女優の事務所の計画はつぶれたと言う。
彼の本と同じで彼の行動は読めない事が多い。
「マー君は何故私にそこまでするの?私は何も持ってないのに?」
「陽菜は陽菜であればいいんだよ。自分では気が付かないだろうけど陽菜といると落ち着いて安心するし昔から何もかもが可愛い。」
「マー君・・。」
聖知が陽菜を抱きしめていると・・
「ファントム!あの記者会見だけどどういう事なの?」
とショートカットの女性が怒り心頭で入ってきた。
彼はチッと舌うちしてその女性を睨むと
「あのさ、安西さん。いくら担当でも今後は勝手に入るな!恋人がいるんだから。」
「えっ?!上手くいったの?」
「ああ、おかげさまでね。」
彼の担当だという安西なつみという女性は、キビキビとした女性だった。
彼女が来た事でまた新たな事が解る事になる陽菜は・・唖然としながらとんでもない人を好きになって捕まった事を実感する事になった。
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