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 2回目の授業の日、琴美は留守で貴志は美沙に出迎えられるや否や驚いた。胸元が大きく開いたタイトなTシャツを着て胸の谷間を露にしているのだ。実は彼女は二日前、思案した結果、ブティックへ行って件のTシャツを買って来たのだった。  姉に比べて顔では負けるかもしれないけど、体は完全に勝ってるわと自信を持ち、姉に対する並々ならぬ反骨精神を持つ美沙の然るべき行動だった。  で、勉強を教えている間、貴志はむらむらと沸き起こる性欲を抑えるのに必死だった。その息遣いを時折、肌で感じ取った美沙は、充分な手ごたえを得た。その気色に貴志は自分が誘惑されていることを確と認識し、理性と性欲が激しく相剋し、教えるどころの騒ぎではなくなったので思い切って訊いてみた。 「み、美沙ちゃん。君はそんな恰好で挑発して一体どういう積もりなんだい?」 「私」と答えた途端、美沙は恥じらいと恋心で薔薇色の肌を赤く染め、パッションを漲らせて言い放った。「貴志さんが好きになってしまったんです!だから気を惹こうと思ったらこうするしかなかったんです!」  はっきり告白された貴志は、彼女の思惑通り気を惹かれていた心が熱くなった。だから俺を美沙と会わすなんて琴美は馬鹿なことをしたもんだと思いつつ、そうかとしか答えられなかった。で、どうです私?と美沙に迫られた彼は、嗚呼、なんて積極的なんだと気圧されて拒絶することは到底できなくなって、い、好いと思うと答えてしまうと、私と姉とどっちが好いですか?と更に迫られ、逡巡した後、こう答えた。 「ど、どっちも好い」  すると、どっちかにしてくださいと美沙は叫ぶなり貴志に抱き着いてしまった。で、もろに豊かな乳房の弾力を感じてしまい、あっさり誘惑に負けてしまった貴志に抱き締められると、してやったりと美沙はほくそ笑むのだった。
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