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それは十月三十一日、ハロウィン当日に起こった。一年でも特別なこの日は寮生たち全員が町への外出を許可され、それぞれが思いおもいのコスチュームに身を包みお菓子屋やパブに立ち寄ることが許されるのだ。そんな中、ピーターは打ち合わせ通りこっそりデビッドの部屋へ行き、二人きりの濃厚な時間を楽しんでいた。
「ねえラビット、」
満ち足りてベッドに気だるく寝転んだままピーターのふわふわとした金髪をもて遊ぶデビッド。
「うん?」
「窒息プレイって知ってる?」
「え、うん、聞いたことはあるけど……」
「やってみない?」
「で、でも……痛そうだなあ……」
意外な提案に思わず身を固くするピーター。しかしデビッドは優しく微笑しながら首を横にふり、
「違うよラビット、僕にしてほしいんだよ」
ピーターは思わず体を起こし、デビッドの顔をまじまじと覗きこんだ。
「ほんとにやりたいの?」
「うん、いやかい?」
「デビッド、君がしたいというなら僕はいいよ」
言いながらピーターの心臓は早鐘のように打ち出した。窒息プレイ。デビッドの首を締める……! 頭の中には自分が殺したジョシュの顔が、ヒモで締められ苦しむ少年の、苦痛に引きつった顔が現れた。あの朽ちた小屋の中でピーターは無類の悦楽を感じそして、狂おしく射精していたのだった。
ピーターはデビッドへの愛撫を始め気持ちが昂ると用意したヒモをデビッドの首に巻きそして……締めた。
「うっ、うっ、いい、いい……よ……」
ピーターの手に徐々に力が入る。
「もっと、つ、よ、く……っ」
恍惚と苦悩が入り混じったデビッドの顔を見ながらピーターはもうたまらなくなって、手に力を込め夢中で締め上げた。
「……!……ぐ……」
顔がみるみる赤黒くなり、こめかみには太い筋が浮かんでいる。瞬間、デビッドから精が放たれた、それを見たピーターもまたデビッドに擦りつけながら想いを放つ。
「ウウッ……ウッ、ウッ、ウッ……」
それは夢見るように素晴らしいエクスタシーだった。ピーターはデビッドの上にぐったりと体重をのせしばらく休んで息を整えようとした。が、何かがおかしい。デビッドの心音が、しないのだ。
「……デビッド?」
おそるおそる顔を見ると。目と口を半開きにして舌を垂らし、無反応なデビッドが横たわっていた。
「デビッド!!」
ああ、ああ、やってしまった。僕はまた……。
しかしやや落ち着きを取り戻してみると、元来の嗜好がはっきりと頭をもたげる。そうだ。これは……切り取って持って帰らなきゃあ……。ピーターはキッチンからナイフを取ってくると、まずはもっとも愛おしいパーツをつまんでゆっくりと切り取った。さらにその昏く美しい瞳、繊細な指先までも。そしてあふれる血の中に顔をつっこみ舐め回し自分の体じゅうに塗りたくり恍惚となりそのまま、果てた。
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