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翌日の朝。
昨日治療した耳の事など、すっかり忘れて私は学校に行った。
このアパートは道路沿いの道に建っている。そこに私の家族と、千恵子の家族は住んでいた。
一階のお隣さん同士だ。いつもお互いの家を行ったり来たりするーー当時はなぜかそんな関係が築けていた。
お互いに同級生の子供を持つ家族だったからだろう。
学校が終わり、家に帰った時、空はまだ明るくまだ昼頃を思わせたけど、実際は夕方の三時半を越えていた。
「ただいまー!喉渇いたぁ」
冷蔵庫の中を開ける気力もない。
学生なのに、その日はなぜかそんな元気もなかった。
部屋の中を見渡すと、狭苦しい四畳半くらいの部屋にグラスに入った黒いもの(コーラのようなもの)が置いてあった。
ーーどーせ、家族が飲んだものだろう。
私はそれを一気に飲み干す。
それがまさか、あんな事になるとはーー。
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