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ーーさっきのジュース、飲んじゃ行けないやつだったかな??そう言えば、味がおかしかったような??
私は子供ながらに漠然と考えた。
お母さんに聞きに行こうと立ち上がった瞬間ーーフラリとよろける。
「お母さん、、お母さん」
狭い家だ。
大きな声を出せば、母は来てくれる。
普段より大きな声で母を呼んだ。
数秒後。
母はどうした? と私の顔を覗き込む。
ーー目...目が...回る。
ーーお母さん、目が回るよー。
泣きそうな声で、私は母にそう訴えた。
周りを見渡してから、母が聞いてくる。
「何を飲んだ?」
「ここにあったグラスに入ってたコーラ」
スッカラカンになっているグラスを指差したつもりだったが、私の世界が回っている為、そこにグラスがあったのか?は定かじゃない。
「ーーバカ、違うよ!それは...」
母が言い淀んだ。
「コーラじゃなかったの?」
「あれはね、、あずさ。お酒なのよ!ウイスキーってお酒に、コーラを入れたものーーお父さんが飲んでたのよ」
ーーえ?
ーーお酒?
ーーまじ??
目が回りすぎて気持ち悪い。
まるで白い壁の模様の中に、何か生き物が生きているようなーー白い壁から何か生き物が這い出てくるようにも見えるようなくるくる感で、私はその場から動けなくなった。
ゆっくりと目を閉じる。
そのまま、私は眠ってしまっていたようだ。
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