51人が本棚に入れています
本棚に追加
だけど俺にしてみれば、他の皆が見てるナオと俺と二人で過ごしてるときのコイツは別人じゃねーのかってレベルで掛け離れてるとしか思えないんだよなぁ。
確かに見た目は非の打ちどころもないし、性格だっていい。人が良いっていうかおっとり優しいんだよ。
……実際はトロいだけなんだけど、それがバレてないからな。
でもホントは深く付き合うと、子どもっぽくて我が儘でいちいち手の掛かる面倒な男。
それでも『可愛い』ナオを知ってるのは自分だけでいいってのが、俺の掛け値なしの本音でもあるんだ。
「拓馬、ホントにゴメンね」
根が素直なナオは、ぐだぐだ弁解することもなくあっさり謝って来た。
「もういいよ」
俺もこれ以上引き摺るつもりなんかない。
……さらに突っ込んでも、いいことは何一つないからな。叩けばいくらでも埃が出そうな身としては。
最初のコメントを投稿しよう!