6. そばにいる方法

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 英司は転がった千秋をまず上から抱きしめると、まず「好きだよ」と耳元で囁いた。  今日はいつもよりたくさん抱きしめられているせいか、もうすでに千秋の頭はどろどろである。 「柳瀬さん、キス……」 「ん、はいはい」  ぐいぐいと肩を引くと、英司が唇を寄せてきた。  ゆっくりと触れると、そのまま上唇や下唇を挟んで遊ばれる。 「ん……っ」  早く深いのがしたくて自ら口を開いて舌を出すと、今度は焦らさず絡めとられた。  お互いの熱を交換しながら、腰がじわじわ痺れてくるのを感じる。 「んんっ……」 「……千秋、脱がすぞ」    しばらくキスを堪能したところで、英司が少し離れてそう言った。 「ん、早く……」  脱がしてほしい。  二人お互いを脱がせると、何にも隔てられないままもう一度抱きしめ合った。  素肌が触れるのが気持ちいい。柳瀬さんだと、これだけですごく満たされる。  でも、このままもっと深く、奥までまざり合いたい。 「あ……っ」 「もう触るぞ」  英司は体にキスを落としつつ、早くも後孔に指の腹を押し当てた。  それだけで期待が止まらなくて、欲しくてたまらなくなって、 「はやく……っ」  と、英司にしがみついてしまう。 「千秋、もうこれ以上煽るな……っ」  今日はずっとわがままな千秋に、英司は余裕を無くして苦しげに眉を寄せている。  その表情を見ると、千秋はドキドキした。柳瀬さんにこんな顔をさせているのは、俺なんだと。  指を入れられると、それだけで恐ろしく気持ちよくて、柳瀬さんの指だと思うとすぐいってしまいそうになる。  慣らすように優しく腹の中を撫でるその指に、千秋はひたすら身を捩った。 「も、指、や……っ」 「ん?いや?」 「やだ……っ」  駄々をこねるように首を振ると、英司が愛おしそうに聞いてくるので千秋はもっと縋りたくなった。  はやく、繋がりたい、柳瀬さんと。 「はやくいれてっ……」 「っ……もう少しな?」 「いやだっ」  ほぐし足りないから、という英司は真っ当なのに、焦らされてるのが嫌で千秋はがばっと起き上がった。  いきなり起き上がった千秋に英司が驚く。 「千秋どうした?え、おいっ」 「柳瀬さんがいじわるするから……!も……っ」  千秋は英司の肩に手をかけて、全体重で英司を後ろに倒した。  そして、こんなことは今までしたことは一度もない、千秋は英司の上に乗っかったのだ。 「千秋、まじか……」  やばいって、とまた意味のわからないやばいを繰り出す英司を無視して、すっかり大きくなっている彼のものを掴む。  舐めたかったけどそれだとすぐ止められそうだったので、英司のおかげですでにとろとろな自分のそこに宛がった。  英司は少しを体を起こして、ふー……と辛そうな吐息を漏らしながら、千秋の様子を興奮気味に見守っている。これは、止めないらしい。 「ん……柳瀬さん、やだっ、これ……」 「やだって、自分でやったんだろ?」 「だって、入らなっ……!」  やったことがないので慣れてないのは当然だが、思ったよりもなかなか入ってくれない。入口に何度もちゅっと触れるだけだ。  さすがに英司も千秋も焦らされて、どんどん息が上がっていく。千秋の方はすでに涙目だ。 「ほら、そのまま腰落として……」 「ん……」  英司に両腰を掴んで支えられると、すぐに入る感じがわかった。  言われたとおり、腰を落としていく。 「あ、あ……っ」 「くっ……」  ずっと欲しかったそれがずぶずぶと入ってきて、なかの熱い存在に千秋は体を震わせる。  そのまま全て飲み込んでしまうと、いつもより奥まできてるそれに耐えられなくなって、ぺたりと座り込んだ。
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