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体勢を整えて、自身のものをあてがうと、まだいれてないうちに千秋が少し喘いだ。
その声に完全に煽られて、英司はずぶずぶと腰を沈めていく。
「はあ……千秋、平気か?」
「あ……だめ、きもち、です……っ」
さっきいったばかりで辛いかと思ったが、敏感になってるせいで中の収縮が激しい。熱くて、溶けきっているようだった。これはまずい、もたないかもしれない。
「動くぞ」
「ん、あ……っ、んん……」
正面から抱きしめると、千秋の体が熱くて肌が心地よくてとんでもなく満たされた。いつも英司のために料理をつくってくれるその手が体にしがみつく。
「あー……っ、も、だめ、えーしくん……」
「っ……千秋」
たまのたまに、ほんのたまに、中学の頃のように英司くんと呼ばれると、どうもたまらない気持ちになる。舌足らずな言い方が余計それを助長させていると思う。
「また、いっちゃ、あ……っ」
「うん、俺ももうもたない……」
お互いこれでもかというほど抱き合って、お互いだけを感じる。
二人して達してしまうと、冬だというのに暖房の効いた部屋では汗だくになっていた。
名残惜しくてまたキスを繰り返していると、
「柳瀬さん、もう一回……」
とレアな千秋からの誘い。
達した後の千秋はものすごく可愛くて、ただでさえ毎回ここで終わることができない。なのに千秋からねだられたとなれば、甘く甘く愛でてやりたいのにもう手加減はできなくなるだろう。
英司は収まるはずのない興奮を落ち着かせるために、一度長く息を吐いた。
……本当に、千秋は俺を困らせる天才である。
────そして翌日、目覚めた千秋が真っ赤に顔を染めて、しばらく布団から出てこなかったことは言うまでもない。
【番外編・完】
*最後の最後まで読んでくださりありがとうございました!
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