3. つながりを求めた

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 目が覚めると、自分の部屋のベッドで寝ていた。  あれ、夢でも見てたか。確かバイト行って、コンビニ行って、そこからの記憶が曖昧だ。なんか変なことを考えていたのは覚えてるけど……。きっと、家に着くなりそのまま寝てしまったんだろう。  キッチンのある廊下の電気がついているのに気づく。  消しに行こうと起きあがろうとしたが、体が驚くほど重くて叶わなかった。  これ……熱あるな。そう悟ったところで動くのを諦める。  すると廊下の方から、物音が聞こえてきてピクリと固まる。泥棒かと思ったが、すぐに部屋の扉が開いて不覚にも安心させられた。 「なんで柳瀬さんがいるんですか……」 「起きたのか。なら水飲んで、食べられるようなら何か腹に入れるか」 「あの俺」 「お前軽く熱あるぞ。俺の家の前に倒れてた」  なんか食べられるもの買ってくる、と言って英司は出て行ってしまう。  家の前に倒れてたって俺、家までもうすぐなのに、そんなところで力尽きていたのか。ということは、英司がここまで運んでくれたことになる。……後で謝ろう。  渡された水をコクコクと飲み干すと、手を伸ばしてテーブルにコップを置いた。  少しふわふわする頭で考える。  あんなに避けていた英司と、こうしてまた呆気なく会うことになるなんて。じわじわ実感が湧いてきた。  これで何日ぶりだろうか。また会わないようにするの失敗したな…俺っていつもこうだ。しかも、盛大に迷惑かけてるし。…やっぱり後で謝ろう。  さっき出ていく前、起き上がれないのがわかっていたように、英司は千秋の上半身だけ起こした。随分慣れている感じだった。  取られるまで気づかなかったけど、おでこには、濡れタオルも乗せられていた。  英司は思ったよりもすぐ帰ってきた。 「軽い熱だけど、食べやすいやつな。おかゆとあったかい方のうどん、どっちがいい?もし食欲ないなら、ゼリーとか色々買ってきたから」 「ちょ、ちょっと待ってください」 「あ?」  既視感がある。ぶら下げられているパンパンのスーパーの袋。目に入った必要そうなものは全部買ってきた、みたいな感じがありありと伝わってくる。  ただの軽い熱なのに、そこまで甲斐甲斐しく看病してもらうのは何だか申し訳ない。でも、正直助かっているのはたしかだ。 「いや……ありがとうございます。おかゆでお願いします」 「わかった。これ、横に置いとけ」  袋から出したスポーツドリンクを渡される。  もしかして……そっちの袋全部飲み物なのか?だとしたらすごい重かっただろうし、やっぱり絶対飲みきれる気がしない。
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