3. つながりを求めた

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 目が覚めると、窓から朝日が差し込んでいた。  時計の針は8時を指している。今日が休みの日でよかった。  ふと部屋を見回したが、英司はいないようだ。  ……あれ。  ベッドから降りようとしたら、床に毛布が落ちているのが目に入る。もしかして、ここで寝てたのだろうか。  シャワーを浴びて、ベッドに腰を落ち着かせると、 「あ、起きたか?」  ガチャリと玄関から音がして、入ってきた英司が部屋に顔を見せた。 「あ、はい……おはようございます」 「おはよ。結構回復したっぽいな。熱は?」 「おかげさまで、測ったら平熱でした」  ベッドに座っている千秋のところまで寄ると、おでこに触れられる。 「今日なんもない日?」 「はい」 「なら、とりあえず今日までは安静にしとけ。朝飯買ってきたけど食べるか?」 「え、いいんですか」  もう熱も下がって元気なのに、そこまで面倒を見てくれるらしい。 「当たり前だろ。お前のために買ってきたんだから」  淡々と言う英司に、頬がじんわり熱くなる。  こういうことを平気で言うのだから、悔しくて、俺は顔をそらした。  テーブルに向かい合うように座ると、英司の買ってきた朝食を食べ始める。  千秋は何も話さない英司をちらりと伺う。何を考えているのかわからない表情だ。  一方で千秋は、非常に落ち着かない気持ちだった。それは、さっき昨日のことを思い出した時、叫び出したいほど恥ずかしくなってしまったからだ。  ああ、俺本当意味わからないこと言ってたよな。英司が何も言わないので、どう捉えたのか余計気になってしまう。    いや、触れるつもりがないなら一生触れられず、どうかこのまま墓場まで持っていかせてほしい。 「高梨」 「はいっ!」  まずい、無駄に元気な返事をしてしまった。 「昨日」  ぎくりとする千秋とは英司は真剣な顔つきで千秋を見据え、はっきりと口にした。 「回復したら聞くって言ってたやつ」 「え?……ああ」    一瞬何のことかわからなかったが、そういえばそんなことを言っていた。  しかし、心当たりが多すぎて、実際何を聞かれるかわからない。
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