ムカーッ! 3:影(かげ)

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 それから十年後‥‥  圭子は十八になり、アルバイトをしながらアパートで暮らすようになった。  僕は大学を卒業すると、IT企業に就職し、彼女と同棲を始めた。  やがて僕は、中古の家屋を購入すると、愛の巣とした。  が、結婚は不可能だと、お互いに納得していた。  心配した両親が、様子を見に来ることがあったので、そんな時、圭子は何処かに行っていた。  やがて僕が三十になった時、貯金が百万になった。  ので、僕は約束を守るため、F県に向かった。  例の『不思議堂』に行き、主人に十万円を払うためだ。  大人になった僕を見た主人は、笑顔で、 「よく覚えてましたね‥‥」  そして、僕が差し出した十万円を見ると、 「約束を守ってくれた貴方に、言わなければならん事があるんじゃ」 「‥‥?」
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