7人が本棚に入れています
本棚に追加
それから十年後‥‥
圭子は十八になり、アルバイトをしながらアパートで暮らすようになった。
僕は大学を卒業すると、IT企業に就職し、彼女と同棲を始めた。
やがて僕は、中古の家屋を購入すると、愛の巣とした。
が、結婚は不可能だと、お互いに納得していた。
心配した両親が、様子を見に来ることがあったので、そんな時、圭子は何処かに行っていた。
やがて僕が三十になった時、貯金が百万になった。
ので、僕は約束を守るため、F県に向かった。
例の『不思議堂』に行き、主人に十万円を払うためだ。
大人になった僕を見た主人は、笑顔で、
「よく覚えてましたね‥‥」
そして、僕が差し出した十万円を見ると、
「約束を守ってくれた貴方に、言わなければならん事があるんじゃ」
「‥‥?」
最初のコメントを投稿しよう!