ムカーッ! 3:影(かげ)

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 その日も僕は、夕暮れが迫ると、こっそり出掛ける。  行先は、そこから徒歩五分の小学校だ。  僕は、路地の角をまがると、目前には小学校の校門が見えている。  当然、夏休みの校舎は、ひっそり鎮まり返っていた。  校門まで行くと、不意に大きな声で、 『やっと来た。おそいよ』  それは女の子の声で、怒っているようだった。
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