ムカーッ! 3:影(かげ)

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 僕は、声のした方を必死で探した。  すると校庭の空が、夕焼けのように赤く輝きだした。 『ほら、ここ、ここだよ。モトキ君』  着物姿の女の子が、僕の名字に君づけで呼びながら、校庭で手招きしていた。  僕はニッコリすると、すーっと入って行った。  僕が、その女の子と会ったのは二回目で、特に話をしなかった。  それなのに、なぜ彼女が僕の名前を知ってるんだろう? と不思議でならなかった。
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