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「これ! ピ! って知ってる!」
おぉ! と、言いながら喜んでいた。
下りエスカレータの前に立つうす茶色のウエーブヘアを見ているのだが……
Fericaカード……買ってくれとねだるので買ってあげた……
なんで、そんなもの知ってるんだ? ネットか……?
「何で? そんなの知ってるの?」
前にいるヴィアさんが、振り返った。
「私ね。大好きな本が有って、そこ、物語の舞台が架空の世界なんだけど、ここの世界にそっくりなの。この動く階段、車、電車、信号……このカード。
私の世界も進んでいる気はするんだけど、どちらかというと……人々の暮らしが便利になる様な感じでは無くて、そうだな……戦うための技術? そんなのが進んでいる感じ、実際、大国同士が長い間、戦争中だし、こんな風に道行く人が笑って暮らせるような場所は少ないよ。今から行く場所は戦場とかじゃあないでしょう?」
ある意味戦場だが、命は取られまい。
「だから、さっきかから、それほど驚かないんだね」
「そうよ。本で経験しているから、ああ、これがそうかって感じ。もっと、こんなの初めて~とかやって欲しかった?」
いやらしく俺を見ている。
その感性、何処で身に着けた。
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