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「 ねぇ ! スゴイよね …
署長になったって !
だから、今年は、
お祝い !
同窓会でって ! 」
「 … うん … 」
O君が、
消防署の署長になった。
私が住む町、
人口の多い政令指定都市の、
市役所、郵便局、警察署などが集まる、
市の中心に、
ある、大きな消防署の署長になったと、
同窓会の誘いを連絡してきた高校時代
の友人から聞かされた。
私は、自分なりに、確認をしようと、
友人とスマホで話しながら、PCで検索
すると、市のHPには、O君の顔と就任
の挨拶文が出ていた。
「 これで、おまえと、
おまえの家と、おまえの町、
おまえの周り、までを、
護れるようになっただろ … 」
そんな、
O君の聲が PCから聴こえた …
「 … ねぇ … O君 ? …
どこまで … 強くなるの ? … 」
私は PCに訊ねた -----
❄
あの、冬 …
高校3年生の2月 …
『 だからおまえ …
カレシができないんだぞ ! 』
私はO君に怒られた。
私が、
O君からの電話に応えないから …
O君は、
私が無視する事を知って …
ほかの子に
電話をさせたりしたけど、
でもそれじゃぁ … なおさら、
知らない番号なら無視するし、
それを何人にもされたり、
その都度、非通知だって、同じ …
そうしたら、
私が、怒られた。
「 … … 」
でも … それは …
恐かったから …
私は、
O君と話せないからで …
でも …
O君が署長さんになったのは解かる。
出逢った、あの当時から、
O君はリーダー的な存在だったから …
私とタイプが違う …
そう、思ってた。
だからなのに …
高校生の頃、
O君は応援団に入っていて、
3年生の時には、団長になっていた。
男子ばかりの応援団で、
応援団は、野球部の試合の度に応援を
するから、
野球部の男子とも仲が良くて、それと
同じく柔道部の男子も、それに、
ラグビー部の男子とも …
だから、
強そうな男子ばかりの大きなグループ
ができていて、それはクラスの中でも、
ハッキリ目立つほど組織化されていて、
そうじゃない男子たちは近づかないし、
女子たちも当然そうで …
で、その力は強くて、
クラスの、事は、
O君が決めるようになっていた。
それは、大人のはずの先生にも、
どうする事もできないくらい …
❄❄
『 え ? なに ?
ねぇ …
聴いてるの ?… 』
「… う ? ん … 」
『 だってさ …
この年齢で署長って …
O君、
どこまで ? 成るんだろ …
恐ぁ … 』
「 あ ! … う …
ん … ね …
日にち ! 分ったから …
じゃあ … また … 」
… pi …
私は、友人との電話を終わらせて、
PCを閉じた …
O君 …いま …
なにしてるんだろ …
消防署なの ? …
近く … なの ? …
「 カタン ! 」
… トコトコトコ …
「 パタ… 」
私は、窓のところまで行ったけど、
急に怖くなって、外が、ミレナイ …
私が通っていたのは私立大学の付属校で、
3年生の、ほとんどの生徒は、
受験することなく、進学先を決めていて、
もともと、それに向かっているから、
高校の3年は長いけど、通過点で、
高校生活は、希薄になっているけど、
それでも、
卒業までの時間を、
楽しみたいのか、
O君は、クラスをまとめ、
いろんな事を、考えて、実行に移す。
それは、
学校行事とは別モノの、
放課後や
休みの日に、皆で集まって、
テーマパークに往ったり、BBQ、
ダンスバトル、パーティー とか …
それも、ただ、人を集めるんじゃなくて、
お店を貸し切ったり、車を手配したりと、
高校生のわりには大胆に行われる。
そんな、計画も、実行も、
ちゃんとできるヒト …
私は、それに、参加するのが、
いっぱいいっぱいで、べつに、
そんな流れの、
皆のジャマはしないけど、
そんな、O君が恐くて、
近寄れなくて …
でも、
だからなのか、
いつも、突然 …
学校の、
20分休憩の時間にも、
急に目の前に登場して、
「 カタン!」
顔を寄せて、
前の席に腰かけられたり、
皆と遊びに行くときでも、
私が、女子と一緒にイテも、
腕を引っ張られ、
「 パタン ! 」
と、押し込むように、
O君の車に乗せられ隣に座らされたり、
テーマパークの乗り物は、気づくと、
どれも一緒、で、隣のシートで …
O君は、やたらと、
「 おい ! 」
と、私に干渉してきて、
私の前に、イル。
それに、
そんなカンジは、どこでも …
いきなりな、まま …
或る日には …
朝、私が登校すると、
「 ゃ … 」
なぜか、
髪を引っ張られて、
「 おまえ …
これ、似合わない … 」
とか、制服に合わせる ( 校則違反の )
ベストとか、ソックスとか、
「 その色かよ … 」
とか、バッグの、チャームとか、
「 いまそれかよ … 」
とか、ペンケースとか消しゴムとか …
「 は ?
どこで買った ? それ … 」
とか、いろいろ、な、
それも、あれも、これも、
いつも、
否定的、に、意見される。
「 … … 」
私は、なにも、云い返せない。
『 バサッ ! 』
『 バサッ ! 』
『 バッサッ ! 』
O君に髪を引っ張られて、勝手に、
クルクルとその人差し指に巻きつけ
られても、
制服は脱がされないけど …
( 選んじゃ … いけなかった、)
ベストを脱がされても、ソックスを
くるぶしまで下げられても、
O君が恐いから …
「 … … 」
黙ってた …
❄❄❄
それでも、
有難く、時間は止まらないから、
高校生活も終わり、
やっと来た、春、
もう、子供じゃなくなった、頃、
私の家の、2階の、私の部屋の窓を
開けた前、お隣の、アパートの2階の、
私の部屋と真正面のお部屋に、
男の人が越してきて、
いつも、ドアも、窓も開けているから、
お部屋の中まで見えてしまうのに、
なぜか、
開けっ放しで、
だから、
私が、自分の部屋の窓を開けると、
お互い、が、
見えてしまうけど、
… なんで ? 見せて ? るんだろ …
そんな事 ? 気にせず ? に、
その人のそこでの生活はスタートし、
その人は、
私の知らない人だったけど、
その人のお部屋に出入りする人たちも、
知らない人だったけど …
或る日、
私が、家を出て、まだ数分 …
… トコトコトコ …
その道、に、
車が1台とまってイテ、
その車に、
偶然 ? その人が近寄って行って、
私は、それをなんとなく、
目で追って、
「 え ? 」
私は、
立ち止まった。
その車の中に、
その、後ろの座席に、
O君が …
無表情で …
私が、
その車からも見える場所にイルのに、
だから見えてるのに、
O君は、私に声を掛けない。
… 私を ? 視てるけど …
だから、私、
もう、高校生じゃないから、
… 私は、関係ないから …
そのまま、
その、動かない車の横を通り過ぎて、
家からも、車からも、離れた。
それで、も ?
その時は、なにも起こらずに、
部屋の前の人とも、なにも、なく、
でも、
なんだか、
「 … や … 」
それからは、自分の部屋の、窓を、
自分がイル時には開けないように、
家から、出る時は、一度、
止まって、外の、見渡せる限り、の、
周りを、確かめて、から、
出るように、なって …
でも、
なにも起こらないし、
その車は、
2度と見なかった。
けど …
❄❄❄❄
それから、しばらく過ぎて、
そんなことを忘れかけた頃、
私が、家に帰ると、
家の電話の呼び出し音が ?
玄関ドアを閉めて中に入ると、
リビングの、家の電話が鳴る。
それも、
きまって、ワン切り …
だから、電話の処に往くと、
もう、間に合わなくて、
偶然かな …
でも、
それが、毎日じゃないけど、
何回もあって、私は、
すぐ、静かになる電話には、
なんだか
不気味で、履歴も視たくなくて、
近寄らないけど、
私が、
… 出ない電話 …
で、
… これって、なに、を、
伝えてるんだろ …
気になって …
… これが、
判るのって …
自分の部屋の窓から、そっと、
お隣の、あの、お部屋を視てみると、
窓と、玄関ドアは閉まってるけど、
お部屋の明かりはついてイテ、
だから、たぶん、
誰かは、
… イル、んだよね …
そこのお部屋の人、
O君の知り合いみたいだけど、
その人 ?
O君は、これって …
無関係なのかな …
その、
繰り返し、
やっぱり続くから、
怖くなってきて…
私は、なにも気づかない
母親に相談した。
母親は、
アパートのオーナーさんに、
訊いてみると、云って …
数か月後、
その人は引っ越していった。
このとき、
その人の事で、
私はO君に何も尋ねなかったし、
O君も、私に、
なにも謂ってこなかった。
そして、
家の電話は、
私が帰宅しても、
鳴らなくなった。
でも、もう、
私は、それ以上、なにも、
確かめることも、
ハッキリとさせる事も出来なかった。
それも怖くて …
それが、
いけなかったのかな …
その、
数か月後には、あのクラスの
「 同窓会 」のお知らせが届いた。
ごくごく普通のお知らせで、
幹事はO君じゃなかった。
でも、
私は、行かなかった。
O君は、きっと、来るから、
でも … そんな事、も、
考えるからいけないのかな …
❄❄❄❄❄
欠席した同窓会が行われた後、の、
半年後、
また、同窓会のお知らせが、
届いた。
私は、
その時も、出る事は、なかった。
そしてまた、半年後、
同窓会のお知らせは、
郵便ではなく、メールに変わった。
大学生だった私は就活も忙しかったし、
もう、同窓会、には興味なかったけど、
連絡してきた友人は、女の子だったし、
その娘は、中学も一緒だったから、
なんだか、いまの友人達とは違う感じ
で、懐かしくて、
私の番号は、家に電話して、
母親から訊いたそうで …
参加・不参加の確認の電話で、も、
お互い ? に、懐かしくて、
ゼンゼンずっと話してなかったのに、
つい、
長話しになったくらいだから、
今回は、その娘が幹事だから、
私も出る事にして …
だって、
BBQってきいたから、
外だし、解放的な、
カンジで、真面目な就活の中、の、
気分転換にもなるし …
だから、私、
楽しみにしちゃったんだけど …
それも、O君は、
判ってたのかな …
私は、初めて参加する
同窓会に行くと、
「 あれ ? 」
それは、
思いのほか、人数は少なくて …
だって、O君だったら、
きっと、もっと、
ヒトは集められたはずだし …
O君が ?
幹事じゃないから ? …
そこには、ほかのグループもいくつか、
BBQをしていて、その人たちも、そんな
に、メンバーが多くもないから、この人
数でも、この場の違和感は、ないけど …
… トコトコトコ …
だから、もう、来ちゃってたし、
私は、静かに、皆の中に入った。
「 皆、早いね … 」
「 あ ? 待ってたよー!」
「え?」
私は、
集合時間よりも早く着たつもりで…
で、連絡してきた娘の近くに寄って、
挨拶すると、スグ、その娘の手の動
きを真似て、手伝いを始めた。
それに、私が、皆の中に入った時には、
O君はイナカッタけど、なんだか …
それからしばらくして、
皆が楽しく騒ぎだした頃、
❄❄❄❄❄❄
その、賑やかさを、耳で楽しみながら、
私が手元に集中して焼き物を仕上げる
のに忙しくしてイルと、
その火の向かい側に、
… すぅ~!っと ? …
いつの間にか …
O君が、イテ、
もう、すでに、そこに、
イルのに ?
なのに ?
私は、気づけなくて、
でも …
ずっと、
そこにイタみたいに …
… あ ? …
一緒に、手を動かし、
焼き物をひっくり返し、
火加減を視て、
「 … … 」
黙って、O君はその、
作業を続ける。
これも、
なにも、違和感もなく ?
O君と私は、
ふたりで、一緒に、作業を続けた。
「 … … 」
「 … … 」
私は、
O君が黙ってイルから、
黙ってる。
ここだけ、静か … に
なるけど …
「 パチパチパチ... 」
「 ジュ~」
「 ジュ~ジュ~」
そんな、音だけ …
… O君 … なんで、
なにも言わないんだろ …
「 … … 」
「 … … 」
不思議だったけど、
言えない。
それに、
あの時の、事も、訊けなかったし、
O君も自分から、その事、を、
なにも云わない …
「 … … 」
「 … … 」
あの時、
私に気づいても、
車の中にイタまま、
出てこなかったのに …
でも、
いま、は、目の前に来て、
2人になって、イルのに …
… なんか
違和感あるんだけど …
なのに、
O君は無表情で黙ってイル。
「 … … 」
「 … … 」
… これ、も、恐いな …
私が、
O君の知り合いの、
あの人を、アパートから、
退去させたから ?…
それとも …
私が、リビングの電話
に 1度も出なかったから? …
… 判らない、けど …
… でも、
これって …
❄❄❄❄❄❄❄
私は、いま …
自分を守るために黙ってイルけど、
O君は、私に怒ってるから、
黙ってイルようにもミエル …
「 … … 」
「 … … 」
私、恐いから、
自分の手元だけミテタ …
「 ジュ~」
「 ジュ~ジュ~」
それでも、焼き物はできあがる。
から ?
O君は、それをお皿に盛り、
ゆっくりと静かに、皆の方へ …
私は、独り、
『 パチパチパチ… 』
『 パチパチパチ… 』
「 O君 … 」
… なにも云わなかった …
『 パチパチパチ … 』
『 パチパチパチ … 』
… パタパタパタ …
『 ほら !おいでよ、
早く食べよ ! 』
「 え ?… ウン … 」
… パタパタパタ …
… パタパタパタ …
私に連絡してきた娘が、腕を
引っぱり、皆の中に、連れて行って
くれた。
… O君、前はあんなに、
口煩かったのに …
そんなO君との再会がショックで、
その後のことを、
あまり覚えてはイナイけど …
もう、
『 行きたくない 』って、
思ったのだけは覚えてて …
でも、次からも、毎回、
同窓会には、
出ることになって …
だって、
「 都合が悪いから 」って伝えても、
日時が変更になって、
それでも、断ると、
「 いつなら平気なの ? 」
幹事の娘に訊かれて、
そこまでされるから、
断れなくて…
その、同窓会、
私の席の前には …
また、
O君が
黙ったまま、で、イル。
… 偶然じゃないよね …
… なんで、
先に座ってイテくれないの ? …
そしたら、私、
側に往かないのに…
… 不自然 …
いつも、最後まで、
姿を見せないなんて …
でも、いつも、
残りの席は、2つ。
私、
早めに着いたつもりでも?
… ぃや だ …
ここだけ、空気が …
じっとり … と、重い …
それでも …
❄❄❄❄❄❄❄❄
食事会の時には、
テーブルを挟んで、
目の前の席で、
O君は黙って、
お酒を呑み、
私が他の人と話しても、
その会話にも入らないし、
次のカラオケの時にも、
横に腰かけ、
誰かが歌っているのを、
騒ぐことなく
黙って聞いてイテ、
ジッと、してイルから、
私も、固まったままで、
O君が立ち上がり、
歌い出したら、
静かに、そっと、
私は退室して帰ったけど …
そんな失礼なことをしても ?
その次の、
花火大会の時には、
横並びになって、
ふたりだけが、黙って、
華やかな夜空をただ見上げて …
コース料理の、
ランチクルーズの時も、
屋形船の時も、
O君の、
黙ったまま差し出された手が、
恐くて、拒めないから、
支えられて、乗船して、
そのまま目の前で、
それに、
らしくない ?
海は、
江ノ島に往ったり、
山は、
箱根に往ったり、
空は ?
スカイツリーの
天望回廊 ? …
の 、歩いてイル時には、
カラオケの時に、
私が勝手に抜け出したから ?
O君の体温を感じるくらいの、
ピタッと、すぐ後ろにイテ …
だから、
年に、何度、も、
O君はすぐ近くにイルけど、
ずっと、
沈黙、と、
存在感を、圧しつけ …
私、これじゃぁ …
自分のリズムで
呼吸もできてない …
カラダの中に流れる血も、
その動きが鈍くなる。
自分の体温も、
ここの気温も感じなくなる …
そして …
その間にも …
私もO君も、
就職して、
私は …
結婚し、
子供も生まれて、いま、
子育て中、だけど、
それでも ? …
同窓会はあって、
でも、
子供の入園式、運動会、お遊戯会、
ハロウィン、クリスマス、
お誕生日 …
私から言わなくても ?
そんな日にはなくて …
だから …
伏線を張れなくて…
理由が見つけられなくて、
ゼンゼン …
❄❄❄❄❄❄❄❄❄
私 …
毎回、
逃げ出したいけど …
もっと …
酷いことになりそうで …
我慢してたけど …
… でも、なんで、
私の前でだけは、
黙ってるんだろ …
ほかのコとは普通に
シテイルのに …
このメンバーは、
O君のことが好きで、
卒業してからだって
ずいぶん経つのに、
集まってるんだよね …
O君は …
そんな皆からは、
理解されてるんだよね …
私には理解できないけれど。
あ ?…
同じじゃない …
替わってる ?…
メンバー決め …
誰が …
これを …
O君がイルから、
誰にも、訊けない …
「 … … 」
「 … … 」
『 あれ ? O君 ?
もう、飲んでるの ? 』
『 ぁあ … 』
… え ? …
そんな私の隣に ?
座ってくれた娘 …
『 …カタ ! 』
… ん ? この娘 …
前回の幹事 …
… ヨカッタ …
間に、入ってくれるの ? …
私は、近くに誰かが来てくれると
ホッ ! と、する。
でも、
この娘は、
O君が、不満気 ? に、
していると思ったのか、
慌てだし …
そう、
今回の同窓会は、
O君のお祝いの会 …
ベイブリッジ方向の夜景、を、
楽しみながらの、ホテルでの、
スイートルームパーティー …
「 お~い ! カンジ ?
挨拶は ? 」
今回の幹事の娘も、
慌てて立ち上がり、
… う ~ ん …
いつも幹事 …
女性だよね …
そう …
だから私、電話でも話せて …
や …
これも … 偶然じゃ
… ないの ?…
それに、
私、また、
早めに着たつもりなのに、
もう、皆は来てたし、
O君は最後に登場だし …
そう、されてる・の ? …
『 は~い ! 今回は !
特 別 ! だ・か・ら、
すぅぃ~とぉる~むぅ !
O君の ! お祝いだねー !
かんぱぁーい !! 』
❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄
「 カンパイ ! 」
「 カンパイ ! 」
『 パチパチパチ … 』
『 パチパチパチ … 』
『 パチパチパチ … 』
「 … … 」
「 … … 」
… え !
そうだね …
『 パチパチパチ … 』
『 な、O君って !
ヤッパ すげーなー !
勤続年数縛りムシの
史上最年少でか ? 』
『 そうそう、
ニューモデル ! 』
『 頭も、顔も、身長も!
一般人の俺よりもかぁ⤴ ? 』
『 ヤダァ~ 』
「 ハハハハハ … 」
「 キャキャ … 」
「 フフフ … 」
『 じゃ … 俺にも ! 』
『 そだねぇー 』
『 はいはい ! 』
『 … な ! ほら ?
O君 ! 』
『 ぁあ …
乾杯 ! 』
『 パチパチ 』
「 カンパイ ! 」
「 カンパイ ! 」
「 カンパイ ! 」
『 パチパチパチ … 』
『 パチパチパチ … 』
『 パチパチパチ … 』
「 … … 」
「 … … 」
… あ !
いけない …
『 パチパチパチ … 』
「 ガヤガヤガヤ …」
「 ガヤガヤガヤ …」
「 ガヤガヤガヤ …」
「 ガヤガヤガヤ …」
「 ガヤガヤガヤ …」
「 ガヤガヤガヤ …」
それでも …
また …
「 … … 」
「 … … 」
… ねぇ … O君 …
黙ったまま …
ただ、吞んでる、けど …
今日が、特別な、
O君の、でも ?
「 … … 」
「 … … 」
私は、
グラスを、手にしたまま、
だんだん、
ザワザワ感が強くなる。
… ってさ …
O君って …
署長さんになったのは、
聴かされて知ってて、
O君のお仕事、
O君、らしいし、
それはスゴイって思うけど …
でも、こんなに、ずっと、
これ、長く続いてるのに、
O君がどこに住んでて、
誰と一緒に
暮らして、とか …
私は、訊けないし、
なにも知らないまま … だけど、
O君も、同じ ?
私のこと、
なにも … 知らないの ?
それとも ? …
「 … … 」
「 … … 」
❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄
ねぇ …
この、少人数の、
同窓会って …
本当の幹事は誰なの ? …
私は、顔を背けて、
夜景がキレイに臨める
窓に映ったO君をミテル …
… 恐くて、声に出して、
訊けないから …
… O君、これ …
… なにが … 楽しんだろ …
これ …
… そ ? … これはきっと
O君のゲーム … なんだね …
そっかぁ …
で、私たち、
動かされてるの …
私に
怒っているから ? …
って、
そこまでやるんだ …
… だね、
こんな、私が、
高校の時から、
黙ったままの
無反応だから …
… それに、O君が
怒った … ままの …
なんだ・ね …
「 … … 」
「 … … 」
… ねぇ …
… あのとき …
… あのときも …
… あのときだって …
声に出して、
…「 護ってくれて !
ありがとう … 」…
そう、可愛く
言っていたら、
こんなに長く、
ならなかったのかな …
「 … … 」
「 … … 」
… でも、ダメだから …
だって、だんだん、
強くなってきてるから私 …
ねぇ、これ …
「 特 別 」で、
だ・か・ら ! ここって ? …
これ、同窓会 …
じゃないよね ?
… うん !
それ解ったから、
「 … ふっ … 」
ホテルに、
来ちゃった、私、
バカだって、
自分に、怒って・る ! …
「 カタン ! 」
『 パリッ … ン ‼ 』
… だから ! …
「 私 ! サ・セ・ナ・イ … 」
『 ガタッ ! 』
… ダダダダッ ! …
『 ガタッ! 』
『 おい !
まて、ヤメロ ‼ … よ ? … 』
『 ド ・ スン ! 』
… これで今日は戻されないで、
きっと、ここ出られる ⁉ …
「 え ? 」
「 ぅわ !? 」
「 ねぇ ! O君 ?
救けられる ? … 」
… え ? どう
して ? そんな …
『 … あぁ … 』
「 カタ … 」
『 … おまえが
… 電話に出ないのが …
… いけ … ない
… だけ … な の に な … 』
「 … ぅっ … 」
『 ふっ …
サセない … か … 』
『 ・・・・ … 』
O君は、もう、
なにも謂わない、
… させ … ないの …
って、もう、
私も言えないから、
スイートのベッドルームへ運ばれ …
『 自分でやったんだろ …
なら救急車は呼ばない、
残念だ・な … 』
… っ ! …
「 バサッ 」
『 ぁ~ これで善い、
おまえらは、帰っていいぞ ! 』
「 うん … 」
「 そ … 」
「 ね … 」
… ぃや …
おいてかないで …
『 パタン ! 』
待って … お願い …
なら、救けないで …
や、これじゃぁ …
ここ出られない …
「 バサ … 」
「 ギシギシッ … 」
「 ・・・… 」
『 ん ? … ぁあ …
どうだ ? …
苦しいかぁ … 』
そして ふたりは ...
... Switch ...
これで今日が、
ふたりの 特別な日になる …
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