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昔の御話ーとある企業ー
ある女が居た。
その女は有名企業の社長の男の秘書であり、不倫相手。
自分の私欲の為に快感を欲し、その男との間に子を授かる。
これをチャンスだと捉え、男に内緒で休暇を取り、子を産んだ。
「社長、私が長期休暇を取っていたのは理由があるんです。」
「ほぅ、なんだね。なんでも言ってみなさい。」
「ちょっと待ってくださいね。連れて来ます。」
一度社長室を退室し、入室時には1歳ぐらいの子を抱いていた。
「社長、私は子を孕んでいたのです。社長、貴方はこの子の父親なんですよ、だからあの女と離婚して私と結婚しましょう?」
「なっ!?そんなことは有り得ない!私は離婚しないぞ!」
「え……?じゃあ私はなんでこの子を産んで……?」
女の腕の中の子はキャッキャと母である女に構って欲しそうに手を伸ばす。
「……結婚するなら条件がある。私はこの子供を育てる気は無い。だから捨ててくるのが条件だ。」
「じゃあこの子さえ居なければ、私と結婚してくれるんですね……?」
そう言うと、走って社長室を出ていく女。
車を走らせ、とある山奥に子を置く。
「お前なんて産まなければよかった」
そう言い残して、女は去っていった。
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