三章 苺タルト

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「…………」 「えっ、そ、そんなに……」 「可愛いよりは綺麗、だろう」 「「ああーーー」」  二人して残念そうに手に持っていたビールを飲んだ。  そんなに落胆することか?  男は空になったグラスをテーブルに置いてアイドルもどきと顔を合わせる。そんなに息が合うならお前らで組めよ。そして俺を帰らしてくれ。 「通政君、彼女は他に相手がいる可能性が限りなく高いよ」 「…………」  そんな筈は。いや、わからない。椿に相手がいないと断言できるほど彼女との時間を過ごしていない。 「…………」  その後の話はあまり入ってこなかった。女の浮気を暴く方法やら浮気の兆候やらを力説されたが頭の中で否定する言葉を述べるだけで精一杯だった。 ◇◆◇◆
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