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「入ってください」
「嫌だ」
お風呂を沸かして彼の服も用意した。なのに彼は入ろうとしない。
「うーん、どうしよう」
このままだとお湯が冷めてしまう。
目を離したら私が帰ってしまうと言って離してくれない。そんなことはないと否定しても信じてくれない。
「……椿も入るなら入る」
「そんな子っ」
子供みたいなこと言うなんて。通政さんらしくない……っていうのは私の思い込みだと自分に言い聞かせる。
私の腕を掴む彼の手が酷く弱々しい。私が通政さんをここまでしてしまった。
「なら……一緒に入ったり……します?」
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