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忘れられない人
私には、忘れられない人がいる。
誰かと付き合っていても、彼のことばかり思い出す。当時、まだあどけなかった小6の彼の存在は時間が経って薄れていくどころか、くっきりと私の中で輪郭を残していく。
彼が呼ぶ私の名前。私の髪を撫でるその指の感覚。そして、静かに触れる温かな彼の唇の感触ーー。そのすべてが愛おしくて堪らなかった。
彼ほど好きになった人は誰一人としていない。
でも、あんな風に別れることになるのなら、彼と出会わなければ良かった。彼を知らない世界で生きていたかったーー。
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