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~延々の命~
《昔々、一人のバイオリン奏者がいた。彼女の音は一度聞くと、思考の全てを奪われ、夢中になり、例えどんな緊迫状態だって思わず動きが止まってしまう。自然は静まり、風は音を守るように遥か彼方の赤ん坊にまで届く。海は音の背中を優しく押す。素晴らしい才能だった。
彼女は気がついた。その音のせいで沢山のいざこざが、沢山の死人が…幸福の象徴と唱われた音が、いつしか不幸の象徴と成り果てた事に。
彼女は最後に小さな丘で音を奏でると、その力を神様にやってしまった。彼女を憐れに思った神様は、その才能を交換に、彼女に永遠の命と老いることの無い容姿を授けた。それ以来、彼女はバイオリンを遠ざけた。》
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