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彼がジーンで熱くなってくれて嬉しい。
ジーンはキスをしながら微笑んだ。先走りでぬるついた自身のペニスをザックのモノに擦り付ける。ザックが呻き、ジーンの腰を掴む力が増した。
互いの唇を味わいながら、ふたりの腹の間で育った屹立を擦り合う。息が乱れる。そろそろ限界が近かった。
「ああ、いい、ザック……っ!」
ガクガクと下肢が震える。
ザックが甘く掠れた声で「いきたいときにいってごらん」と囁く。「いってごらん」と言われた瞬間、ジーンは達していた。
ほどなくして、ザックも身を震わせた。
体液が混じり合う。ふたりとも、肩で息をしながら、まつ毛とまつ毛が触れ合う距離で、目と目を見かわし、それから唇を合わせた。
久しぶりに心が満たされるのを感じた。
〝心を通わせた恋人とのセックスこそ至高〟……頑なとも言えるほどに信じたかったジーンの信条――ジョージに言わせるとただの幻想――がたった一晩で(正確には、たった数時間で)覆ってしまったことも大して気にならなかった。
「きみは最高だね」とザックが囁く。
「そっちこそ」とジーンは返してザックの唇を啄んだ。
ザックは手早く後始末をしてベッドに戻ってくると、腕の中にジーンを閉じ込め、ジーンの髪に頬擦りすると満足げな溜め息を吐いた。まるで愛されているように錯覚する。それはともかく、きっと彼とは相性がいいのだろう。ザックも今夜の行為に満足しているようだった。セックスのあとの態度に関しても――甘い気分を引きずるタイプ――ふたりは気が合うようで、そちらも何よりだ。
ザックはシーツを引き上げ、ジーンの肩を撫でた。このまま眠ってしまうつもりらしい。
ほどよい疲労感と達成感、それからザックのぬくもりに包まれて、ジーンはその晩眠りについた。
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