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②
翌朝、ザックの腕の中で目覚めたジーンは、自分を見つめる淡いブルーグレーの瞳に気付いてぎょっとした。
「一体いつから起きていたんです?」
「今さっきだ」
ザックはからかうように目を細めて言った。
「夜通し寝顔を見つめていたわけじゃないから安心してくれ」
なるほど。それなら安心――とはならない。寝顔をじっと見つめられていた気恥ずかしさを誤魔化そうと、ジーンは彼の腕から抜け出し起き上がった。
「シャワーを借りても?」
「もちろん」
ジーンは床に脱ぎ散らかした衣類を拾いながらバスルームに向かう。
なぜかザックも後ろからついてきて、結局ふたりでシャワーを浴びることになった。
一夜が明けてもザックはセクシーで情熱的で、ジーンを愛することに熱心だった。
朝からシャワールームで互いの体をまさぐり合い、最後はザックの熱い咥内で果てた。
「ルームサービスでも? それともホテルのレストランに行くかい」
ジーンの髪をふかふかのタオルで優しく拭きながら、ザックが尋ねる。
正直、恋人に献身的なタイプには見えなかったので――仮に最初だけだとしても――ザックの態度はかなり意外だった。一晩明けたら態度が豹変して冷たくあしらわれたり、部屋から叩き出されたり……という心配をしていたわけではないが、大抵の男はベッドの中で掛けるほどの情熱と気遣いを、朝まで持続できないものだ。
「いや……」ジーンは少し迷ってから答えた。
「着替えたら帰ります」
「……そうか。朝食は取らない派?」
あからさまな落胆は見せなかったが、ザックが本心から残念だと思っているのが伝わってきて、ジーンはそれが嬉しかった。ジーンは微笑んだ。
「次はいっしょに朝食を取りましょう」
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