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「ねぇねぇ。 隣りのクラスの幼馴染くんってさ、カッコイイよね」
お昼休み。 お弁当を食べ終わって仲のいい友達とだべって寛いでいたら、違うグループの子が入り込んできた。
「え?」
「野球部の。 知ってる? 三年生の女子マネージャーさんが告白したらしいよ?」
おぉう、そうなんだ。 モテるなあいつめ。 仕方ない、あの彼氏くんは最近メキメキとカッコイイから……。
「でさでさ。 その時彼ってば、そのマネージャーさんをフッてるのね。 なんでも『好きな奴がいるから』ですって」
あらら、あのイケメンめ。 そんなことがあったのか、全然知らなかった。
「だからね、幼馴染さんなら彼の好きな人のこと知ってるかなって思って。 そのマネージャーさんね、私のお姉ちゃんの友達なのよ」
……え、これ彼女って私でーす、て言えないパターンでは……?
「……えーと、あー……彼の好きな人を聞いてどうするの?」
「別に。 ただ、どんな子なのかなって思うじゃない。
だってそのマネージャーさん、私も何度か話したことあるけど、すっごい美人の出来る人って感じの素敵な人だから。
そんなマネージャーさんを差し置いた彼女ってどんな人なのかなって」
ハードルがグググンと上がってしまった。 これ、言い出せないやつだ。
ここで、実は私ですなんて言おうものなら、「はあぁ~?」ってな目で見られるのだろう。 ……黙っておこう! くわばらくわばら……。
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