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「お前……三年生のマネージャーさん、フッたそうだな」
お昼休み、トイレから教室に向けて歩いていたら、隣りのクラスの大して話さない奴に捕まった。
「なんだよ、関係ないだろ」
「アホか! あのマネージャーさん、才色兼備で人気高いんだぞ……なにお前、彼女いるんだって?」
「うるさいな。 なんでそんなこと言わなきゃなんないんだよ」
睨みつけてやった。 面倒臭い話は嫌いだ。
「……俺の好きな奴が。 お前のこと、好きらしいからさ。 お前に彼女がいるって分かると、俺的にはありがたいんだよ」
うぅん。 プライドを持て、と言いたい……。それをこちらにぶつけてきても、どうにもならないと思うぞ。
「知るかよそんなこと。 それに俺は『彼女がいる』とは言ってない、『好きな奴がいる』って言っただけだ」
ああもう、好いたの惚れたの鬱陶しい。 こんな奴にあいつのことを公言したくない。
「……ふぅん。 あっそう……」
奴はそれ以上言及せずに去っていったが、いい気分はしなかった。
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