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帰り道。
「……ってことがあってね」
溜め込むのは性にあわない。 昼休みのことを早々に彼に話した。
「実は私が彼女ですーって、言えなくて。 ごめんね」
「……俺、そんなに女子の話題にあがるのか……知らなかった……!」
「そこ?! やかましわい、いがぐり頭! そこは特に気にせんでよろしい。なによー自意識過剰?」
彼は薄く笑って彼の昼休みの話をしてくれた。 なんでも、彼のことを好きな女子がマネージャーさん以外にも存在するらしい……!
「おぉう、モテ期……俺にモテ期襲来……?!」
「……なによー。 ぷーんだ」
「お、怒った? 拗ねちゃま?」
彼が顔を覗き込んでくれた。 くそぅいがぐりイケメンめ。
「そうで拗ねー。 別に。 だってマネージャーさんのこと、フッてくれたんでしょ」
そう言うと、彼はイケメンスマイルをこちらに照射してくる。
「……なんとも思ってない人にいきなり好きって言われても、なぁ。 困るぞ? こっち彼女いるのに」
「……(眩しいって……)。
『彼女いるとは言ってない』んでしょう? よく言う……」
「おうおう……『私が彼女でーす』って言えなかった人の台詞とは思えんぞ」
むむぅ。 間違いじゃないけどちょっと違う、と主張したい……!
「くっそう……いつか超絶素敵なイケメンくんに告白されてやる……! で、私と同じ思いを味わうがいい……!」
「はいはーい、願い事は神社で神様に、もしくは流れ星にでも伝えようなー」
鼻であしらわれた、ムッキーとか思っていたら。 このイケメン彼氏くん、微笑みモードでサラリと言ってきた。
「そん時ゃ、俺が。
『俺の彼女に手ぇだすな』って言ってやるよ……ほれ、それでいいだろ? 機嫌直せって」
「もう! 間髪入れずにこのイケメンは! ずるすぎかー!」
ポカポカ殴っておいた。 この幼馴染くんは自分のツボを心得すぎじゃないでしょうか……?!
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