1. メイ

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 あと数時間で、あたしは死刑だ。  いっそ推しの重大発表を目にする前に、死んでしまいたい。  どうせ死ぬなら死んでやる。  そんなことをぐるぐる考えていたあたしを、ママの呑気な声が呼んだ。 「メーイ! クッキー焼けたよー!」  そういえば、さっきから家中に甘い匂いが漂っていた。  ふん……最後の晩餐だな。  現実にはそんなことにならないって、脳の冷静な部分ではわかっていながら、あたしは人生最後のカロリーを摂取するために立ち上がった。  スイーツと推しは、いつでも無罪って決まってるんだ。
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