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あと数時間で、あたしは死刑だ。
いっそ推しの重大発表を目にする前に、死んでしまいたい。
どうせ死ぬなら死んでやる。
そんなことをぐるぐる考えていたあたしを、ママの呑気な声が呼んだ。
「メーイ! クッキー焼けたよー!」
そういえば、さっきから家中に甘い匂いが漂っていた。
ふん……最後の晩餐だな。
現実にはそんなことにならないって、脳の冷静な部分ではわかっていながら、あたしは人生最後のカロリーを摂取するために立ち上がった。
スイーツと推しは、いつでも無罪って決まってるんだ。
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