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見慣れたローテーブルに腰かけると,
紙にペンを走らせ何かを書いている。綺麗な青のインク壺にペンを入れ,その流れる様に書く仕草を,わたしは何故か後ろ側から見つめている。
あれは・・わたし?
息子がお腹にやって来る前,時間を見計らっては短編の小説をこっそりと書いていた。陽の目に当たるその時までにと,少しずつ書き溜めていたのだ。
近くで走り回る息子に喋りながらも,
ペンを走らす速度は緩めないでいる。それから,何かが気になるのか?視線の先にある動くものを見ようと腰を上げたら・・・
ジリリリリリーっ!
頭の上に鳴り響く目覚まし時計の音が,部屋にこだまする。自然と手を伸ばして,時計のある場所に手を置いた。
あれは・・夢?
目覚ましを止めると,再び掛け布団の中に潜り込み,深き眠りの森へと誘う。
惰眠を貪りたい気持ちが芽生えつつも,布団の中で格闘する事5分。ようやく見切りをつけて布団から這い上がった。
「おはよう,わたし。今日も1日頑張るか」
隣で寝息をたてる旦那を起こさぬよう,そっと部屋から出る。洗面所へ向かうと,洗顔と口の中を漱ぐ。
アパートのベランダにある野菜のコンテナに水を与える。サニーレタスや胡瓜,ミニトマト,別の植木鉢にはペパーミントにタイム,ローズマリーなどの香草を植えている。
香草好きの女性作家さんから頂いたもので,料理や香草茶として重宝している。
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