517人が本棚に入れています
本棚に追加
堪忍袋
「堪忍袋」が切れるとは良く聞くが、切れた後、どうなるかは人それぞれだと思う。
私の場合、浮気を知ってから言えない言葉が堪忍袋の中でどんどん溜まって膨れて行き、ある日、口が空いた。
その瞬間が夫を刺そうとした瞬間かもしれない。
だけどそれが娘の顔を見て出来ずで、堪忍袋から出て行った言葉は家の中に恐らくは充満した。
家の何処へいても夫への不満しかないのに、全く気付く気配もない夫に呆れた。
こんなに分かりやすく不機嫌を出していて、知ってるよとアピールしていても女の子に会いに行くのに、残業と嘘を言うし出張と嘘を言う。
それほど頭の中に私はいないか、余程鈍い嫁認定されているか?いや…専業主婦で帰る実家もない、行く場所も生きて行く当てもない、だからここにいるしかない、そう思って油断しているに違いない。
夫に内緒で始めた内職と沙知が産まれた時からいつか沙知のしたい事が出来た時の為にとへそくりし始めた沙知貯金。
これでいざとなればアパート位は借りられる。
内職も趣味だと思ってる位で、グルーガンで小さなパーツを取り付ける仕事。
月三万程度とはいえ、マルッと貯金出来るのはありがたい。
養育費、慰謝料をしっかりもらって、パートしながら正社員の道を探す。
今は少しでも資金を貯めるべく、へそくりに力を注いでいる。
もう2年もそんな事をしているからそこそこ貯まっている。
あの人のレシートが見つかればそれと同じ金額をへそくりに回す。
女に使ったお金を私がもらっても悪くはないと思うし罪悪感もない。
旅行、どうぞどうぞ。出来れば領収書をお願いと言いたい気分。
マルッとへそくりに回せるから。
私の堪忍袋は開きっぱなしになった。
もう締まらないから空いたままで、それは夫婦関係と同じ。
一度空いた袋は戻らない、私の怒りメーターは堪忍袋が空いた時点で振り切れてしまったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!