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プロローグ 女子高生にして梓巫女
三十三代目、上之前神社の梓巫女を継ぐ児玉清香は後部座席に深くもたれた。
一つに結んだ黒髪に、濡羽色の双眸。薄くグロスを塗った唇を緩く結ぶ。高校指定のポロシャツとチェックのスカートをまとい、傍らには通学用のリュックサックと梓弓がある。
中古のワンボックスの乗り心地は悪く、清香の不機嫌を増長する。今日は友達から補講終わりの打ち上げに誘われていたが、急遽依頼が入ってしまった。スマートフォンに表示されるグループトークは賑やかすぎる。寂しさと羨ましさを誤魔化すようにして、スカートのポケットに乱暴に押し込んだ。
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