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そばにいるよ
「夕陽は、凄くいい子でさ。困っている人のことはすぐに助ける子だったの。何でこんな正反対の私と、友達になってくれたの? って言いたいほどに、とても温かい子だった。」
日も傾き始めた頃、彩矢は静かに語ってくれた。
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あの子は、何だろうな。本当に天使ってあだ名付けてあげたいぐらい、とても可愛いし、性格もいいし、いつもみんなの中心にいた。
真桜がお腹にいた時、お母さんの再婚が決まってさ。
いや、別に離婚したとかじゃないよ。真桜がお腹に来て、あの人は空に行った、とか言ってたから、事故死とかしたんだと思う。これはあまり聞けてないけどね。
転校した先にいたのが、夕陽だった。
ん? 保育園を変わるって転校って言うのかな? まぁいいや、意味合いは一緒でしょ。
そこで声をかけてくれたのが夕陽でね、いつも一緒だった。
真桜がすぐに生まれて、夕陽の所も海ちゃんが生まれて、二人で同時にお姉ちゃんになっちゃったね! って笑ってたよ。
今も言った通り、夕陽って困っている人を放っておけないタイプでね。いつも率先して、助けに行ってたの。それはかっこよかったよ。当時五歳とは思えないよね。
でもね……それが仇になるなんてさ、誰も思ってなかったんだ。もちろん私も、きっと夕陽も……。
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