葉  桜

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 酔いで抱かれた肩が熱かった。  故郷の桜の話  夢見心地で聞いて…。  話下手ながら、私も  千鳥ヶ淵で毎年の夜桜見物の  家族の行事を話したり…。  「いいなあ、来年は僕も   参加したいなあ」  つい、鵜呑みにして  頬が赤くなった瞬間  槙人の唇が重なった…。  川の流れのように  そのまま二人で朝まで…。    “始まり”  そう思ったのは私だけ。  槙人にとっては…  
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