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顔を見合わせながらクスクスと笑えば、敦子がハッとしたように起き上がった。
「そういえば、久しぶりに集まろうって話になってたでしょ? 一緒に行かない?」
今日の昼間、確かに高校時代のグループチャットが動いていた。仲がよかった女友達の六人で作ったグループ内で、彼女が言い出したのだ。
「私はいいや……。今は無職だし、みんなに会いづらいもん」
「気にしなくていいじゃない! 前はフリーターだった子もいるし、みんなそれぞれ色々あるだろうし、気後れすることないよ」
「でも……」
「それにさ、今回は他にも何人か誘おうと思ってるんだ。不動産関係の子もいたはずだから、住むところの相談とかもできるかもよ」
ためらう私に、敦子が「ねっ⁉」と押してくる。
本当に乗り気にはなれなかったけれど、他の誰でもない彼女から強く誘われてしまうと断りづらい。
「うん、わかった」
「やった! じゃあ、私が幹事することになったし、お店決めよ!」
敦子は、早速お店の候補を挙げていく。
嬉しそうな彼女を見ていると、断らなくてよかったと思った。
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