Bloom 7 恋は曲者、あなたは変わり者

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Bloom 7 恋は曲者、あなたは変わり者

諏訪くんが帰宅したのは、夕方だった。 篠原さんと入れ違いで彼から【遅くなる】と連絡をもらったため、ふたりで食べるつもりで用意していた昼食はひとりで食べ、味気のないランチタイムになった。 「諏訪くん、話があるの」 ソファに移動して神妙に切り出した私に、諏訪くんが首を傾げる。決心が鈍らないうちに言ってしまおうと、間を置かずに続けた。 「私、やっぱり少しでも早くここを出ていこうと思う。ずっと諏訪くんに甘えちゃってたけど、今のままおんぶに抱っこの生活ってダメだなって感じて……」 目を見開いた彼が、私を見つめたまま静止している。 「約束では仕事に慣れるまでって話だったけど、具体的にいつまでなのかは相談してなかったよね。だから、もうそろそろ――」 「でも、香月はまだ仕事に慣れてないだろ」 諏訪くんの口調は、らしくなく厳しさを孕んでいた。優しい彼のこんな声音は初めてで、だからこそ想定外の反応だった。 確かに、約束では『仕事に慣れるまで』ということだったけれど……。それでも私が出ていくと言えば、諏訪くんは賛成してくれると思っていた。ここにいても、彼にとって私はお荷物でしかないと自覚しているから。 「それはそうだけど……でも、もう仕事を始めてから二ヶ月以上が経ってるし……」 立場上、そう強くは言えない。ただ、おかしな主張をしているつもりはなかった。 「期間は関係ないよ。約束は〝香月が仕事に慣れるまで〟だっただろ?」
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