Bloom 7 恋は曲者、あなたは変わり者

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今日は本当にどうしたことだろうか。彼女と両想いだっただけでも嬉しいのに、俺の中の最高を更新するようなことが起こった。 喜びでどうにかなりそうで、全身の血液が心臓に集結する。必死に理性を総動員させていなければ、このまま押し倒すところだった。 「でも、本当に私でいいの? 私は――」 「香月」 たしなめるように、名前を呼ぶ。その意図に気づいたらしい香月が、困ったように微笑みながらも小さく頷いた。 「諏訪くんは変わってるね」 「そう?」 「うん。諏訪くんなら引く手数多なのに、私みたいに手のかかる人間を選んでくれるなんて、ちょっと変わり者だなって思うよ」 クスクスと笑う彼女のどこかはにかんだような表情が、この場を明るく照らす。 「でも、諏訪くんが他の人を好きにならなくてよかった」 その上で容赦なく心を掴みにこられて、理性がぐらりと揺らいだ。 思っている以上に忍耐を要する事案に早くも遭遇し、今すぐに香月の手を離さないと危険だと頭の中では警鐘が鳴る。 それなのに、彼女が可愛いせいで離れがたくて、ジレンマに苛まれた。 本当に、恋とは曲者だ。 「諏訪くん?」 「……今はあんまり見ないで」 俺の様子を窺おうとした香月から逃げるように、パッと顔を背ける。刹那、視界の端に映る彼女の顔が再び真っ赤になったのが見えた。 俺たちはまるで中学生のように照れ合い、それでも手を握ったままでいた――。
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